反 iPhone 「もの」の亡霊を退治しろ!

私、ソフトウェア=>メディア・アート=>情報デザイン=>ITビジネスという興味の変化で活動してきました。その観点から、

iPhoneが嫌いです。よくないものだと思ってます。

その理由はログしておきます。ご意見もらえれば幸い。
(最近、口頭でブログのコメントをもらえて喜んでます。)


先ず初めに、ある観点で対立する例としてGoogleのサービスを考えます。Googleサービスの長所は何処でも、どの機械でもできるだけ同じようなサービスが利用できるように考えられている点だと思います。クラウド・コンピューティングと呼ばれていますが、これは、サービス(デザイン)が特定の場所や「もの」に依存しない方針です。

で、iPhoneをその観点からみると、ハードウェアメーカーなので当然「もの」に依存しています。そして「もの」を基点にして、さまざまな無形のサービスを統一していこうという方針です。

まず、「もの」を基点にする方針を批判したい。iTunesの成功やAmazon kindleの実験などによって近年この方針が注目されていますが、この発想は退行じゃないでしょうか?ハードウェア=>ソフトウェアの順にデザインを進めるのは恐ろしく稚拙に思えます。


私は、情報技術が浸透したのは「もの」・ソフトウェア・コンテンツ・作法・「文化」がそれぞれのレイヤーで独立して、最終的に「文化」のレベルで固定したからだと思っています。いま1台のパソコンが生産中止になっても、ソフトウェアやコンテンツが別のパソコンで動くので、文化的には安定する。(実際には苦労しますが、、)

この各レイヤーの独立性を高めることを、大手の会社や各プログラマー、デザイナーは、マナーとして遵守した方が良いんじゃないかと思います。そうでなければ、有限の時間に縛られた「もの」の理由(メーカーの都合)によってコンテンツや文化が振り回されてしまう。

iPhone(Apple)のデザインやインターフェイスが(パッと見)優れているとよく言われますが、これに騙されてはならないと思います。ハードウェアから順にソフトまで作れば、全部すっきりうまく作れるのは当たり前(?)な気がしませんか?
そもそも、LinuxやWindows、そしておそらくアンドロイドの開発者が苦労しているのは多様な「もの」の差異を抽象化したまま、どのように使いやすさを実現するかという問題なのです。
iPhoneがものから独立して、たとえばNokiaの携帯電話で実装されたとして、そう簡単に優れたインターフェイスができるとは思えない。


「もの」に支配されたインターフェイスでユーザーを獲得して、もののタイムリミット(有限時間)が来たら、ユーザーをほったらかしにしかねない戦略には、大いに反対したいと思います。


そろそろ、椅子とかソファとか携帯電話とか、「もの」のデザインだけを見るのやめませんか?ものづくりの亡霊が見えてきます。
無形のものにも優れたデザイン/アーキテクチャはあるし、ユーザーが選択を間違えると、局所的に退行が起りうると思います。

中原


追記 ただし、iPhoneによってユーザーの常識が変化して、タッチスクリーンが普遍化して、リッチなインターフェイスとコンテンツが普遍化することには期待しています。そのときにiPhoneのパクリみたいな携帯を購入します。そしてソフトウェアを作る。

コメント
こんにちわ
記事を読ませていただきました。

ハードウェアからソフトウェアの順にデザインを進めることが稚拙であるという意見に興味を持ちました。
記事を読んで感じたことを、恐れながら意見にしてみようと試みますが、私自身が記事の理解が足りないのかもしれません。とんでもなく違う話を書いているようでしたら、指摘してください。

本文中の「もの」という表現が、入れ物としてのハードウェアだと受け止めたのですが、認識はあっていますか?あるいは形状や装飾としての「もの」ではないかとおもうのですが。イスやソファの「デザイン」を見るのをやめないか、という記述がありましたが、それは背もたれの形とかクッションの生地の色や模様という「デザイン」でしょうか。

もしそうであるならば、このような意見には全面的に賛同します。消費されるデザインが世の中にはたくさんあると思います。それをデザインだと謳う記事もとりとめがありませんね。ただ少し違う視点から、意見というか感想をかいてみたいと思います。

私自身はハードウェアから見たデザイン、という視点に、ちょうど今注目しています(なのでよけい興味がありました)。ハードウェアとソフトウェアという存在は、もちろんPCに限定することなくこれまでもあったと思います。私自身の理解としては例えば長距離を安定的に運行できる船とコンパスと地図と航海術が完成したことで、流通というソフトウェアが生まれたというように考えます。ハードウェアとソフトウェアは時代によって重要度が変化し、時には新しいハードウェアがいくつも生まれて混沌とし、淘汰されてソフトウェアが安定的に供給できる時代になる、その繰り返しなのではないかと思っています。

iPhoneはどうもワイドショーや雑誌で、個人的には表面的だと思われる機能ばかり注目されています。たしかにマルチタッチもまだ目新しいしそれ自体とんでもなく緻密なハードウェアだと思いますが、それらひとつひとつはアウトラインのように思います。iPhoneが携帯電話の最適な解答だとは思わないし、まだまだ不具合や不十分な部分がたくさんあると思います。ただ手のひらに乗る小さな機械に要求されるスペックとしては、これまでの携帯電話や小型PCと大きく違いかついびつで、どうも違う世界に存在しているように思います。

その世界がほんとうに存在しているのか、それ自体まだわからないし、iPhoneだけでどうにかなるようなものではないと思うのですが、これはハードウェアによって開拓されていく時代の幕開けなのではないかと思います。だからといってインターネットは緩やかに存在しつづけるしその申し子たるGoogleは、これまで以上に影響力を発揮すると思います(Windowsはどうか?OSはどこに存在できるのだろう)。

個人的には、持ち運べる、または身につけられるハードウェアがたくさん生まれて、それらが相互に接続できる(電話でなくても)世界に憧れます。もうひとつはタッチデバイスが成熟して、画材のひとつにまでなってほしいと思います。そのどちらにもソフトウェアが必要です。

ともあれ、ソフトウェアに可能性を託すには魅力的な時代だと思います。

長文になってしまいました。
では
  • 2008/07/17 12:27 PM
>まさん、

どうもどうも、ありがとうございます。
丁寧なコメントをいただけてうれしいです。

>ハードウェアとソフトウェアは時代によって重要度が変化し、時には新しいハードウェアがいくつも生まれて混沌とし、淘汰されてソフトウェアが安定的に供給できる時代になる、その繰り返しなのではないかと思っています。

そうですね。アジテーションを抜きにすると私もそう思います。(ブログなので、多少おおげさに、わかりやすく表現しているところもありますので、、。)

ソフトウェア自体のビジネスやデザインが一般に認知されたのは、せいぜい15年ですし、まだまだ開拓の余地があるように思っています。

そもそもハードとソフトを分けて考えること自体、すでにナンセンスなのかもしれませんが、いまだ私がいる現場(広告、メディアアート)では、ハードの造形が主導ですし、、。

なんだかグダグダのレスですが、
「ソフトウェア、超重要!!」
というメッセージを、

広く一般の人々、コンピューターなんかに触りたくない人々に、仕事でもって伝えたいんです。

中原
  • 中原
  • 2008/07/22 12:27 AM
iPhone の真価は MobileMe にあると思っています。
そのへんはどのようにお考えですか?
  • 2008/07/29 11:50 PM
MobileMeですか。仕様よくよんでいないので、ちょっとすぐには何とも言えないです。

直感的には、
「iPhoneありきでソフト作るのはやだな」という気持ちですね。

たぶん、関所ビジネスが乱立するのが嫌なんだと思います。

中原
  • 中原
  • 2008/07/31 1:10 PM
管理者の承認待ちコメントです。
  • -
  • 2010/08/19 1:46 AM
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